2020年5月6日水曜日

ナガミヒナゲシの大繁殖



春になるとオレンジ色の花を咲かせる「ナガミヒナゲシ」は、最近ではすっかり見慣れてしまっていますが、実は地中海沿岸が原産の外来植物です。

今の子供達はこの花は日本のものだと思っているかもしれませんが、私の子供時代にはこの花の記憶は全くありません。いつ頃から日本に帰化していったのか、私の中ではあいまいでした..

調べて見ると、1961年に初めて東京都で確認されたようです。繫殖力がとても強く、2000年以降に急激に日本中に広がっていったようです。

私がこの花に初めて気が付いたのは、東京の中央区の花屋に勤務していた時の事です。18~19年くらい前の事です。裏路地の吹き溜まりのような場所から生えていて、何かの園芸植物だと思っていました。

その時は名前を調べることもしないで、今年は何だかポピーみたいな花を時々見かけるなぁ..というくらいの感じでした。

元をたどっていくと、外国から輸入されている穀物等にナガミヒナゲシの小さな種が紛れ込んで、その後運よく発芽する機会を得て勢力を拡大していったのではないか..と推測されています。

細長い果実一つの中には、細かい種子が1600粒ほど入っています。風に飛ばされたり、靴の裏などに付いて移動しながら、コンクリートの隙間などで発芽していったのではないでしょうか。

ナガミヒナゲシの‘ナガミ’の部分は「長い形の果実」からきていて、長実雛芥子(ナガミヒナゲシ)の和名が付けられたようです。

花自体は綺麗なので、お店の前に生えていても特に駆除はしていません。ただ日本中(一部を除いて)に爆発的に広がっているので、本来の生態系にはかなりの影響が出ていると思われます。